情報発信と市民との交流
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めたころから、それまで、ぽつりぽつりと投稿していたSNSの更新をやめました。「こんな時だからこそ、市長自らの情報発信を」という意見をいただいたこともありますが、「こんな時だからこそ公平な情報発信に努める必要がある」と判断してのものです。
SNSは、SNSをしている方で、なおかつ私をフォローしている人にしか、情報が届きません。私とつながっている方のご意見やご指摘を「市民の声」と受け止めるのも、偏りが生じかねません。そして何より、SNSに費やす時間が物理的に見つけられないのです。
災害時、急遽開いた避難所で、不安な様子の市民を前に、自分のスマートフォンを取り出すという選択が私にはありません。
避難所から対策本部へ戻る道のりで、現場に散っている職員からの報告を待たせて、自分のSNSを更新しようという発想もありません。
平時であってもそれは変わりません。コロナ禍の行政運営を職員と共に進める中で、SNSという場所で情報発信したり意見交換をすることが、「市長の仕事」と位置付けることが私にはできないのです。
市の情報発信には、専門部署があたっており、紙面やメール、SNSなどを使用して、より伝わりやすい発信のため日々工夫をしています。彼らの努力を私は信じます。足りない部分は、彼らと共に考え、より素早く、より詳しく、より分かりやすく、より公平な情報発信に改善していければと考えています。
市民の声の収集に関しては、「市長への手紙」という公式な窓口があり、私自身と担当課で検討し回答をしています。日々の行政の窓口にも、市民の声は届きます。議会もまた、市議会議員のみなさんを通じてさまざまな声が集まります。自治会のお祭りや市民団体の会合、老人クラブ訪問、スポーツ大会、イベントなどでの、市民との交流は4年で2000回近くになりました。
こうした、公式の場を通じ、よりよいまちづくりのために、市民のみなさんと意見交換をしていければと思っています。